65歳以上の住民が半分以上の街で街コンを成功させるには…

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こんにちわ。月一ファミリーキャンパー・教育マニアのmarcy-kです。

 

現在、自分が生まれ育った地元のNPO法人のお手伝いをしております。

 

私の地元はタイトルの通り、なかなかの高齢化社会。

若い世代をガンガン呼び込みたいところですが、とても住み良い街なので、住民のほとんどが、終の住処と決めているようで、街の新陳代謝が起きづらい状況です。

せめて今住んでいる若い世代(20〜40代)が去っていかないように街にとどめ、あわよくば若い世代が街を盛り上げていく流れをつくっていかなければなりません。

 

そのための施策が街コン。今回、ありがたいことに、私も街コンの運営委員を手伝わせていただけることになり、今日はその会議でした。

いわゆる街コンとは違い、地域交流拠点か、廃校となった学校で開催しておりますので、かなりクローズドな会ですね。参加者は一回につき10人〜30人。こじんまりとした人数ではありますが、どの会も男性の比率が高いので、その辺りが課題ですなあ。

 

街中に若い世代のカップルが増えて、結婚して、子どもを産めば、そう簡単に街を出ていかんだろう…という目論見なんですが、これどうなんだろう。

ただ、地域のイベントのご縁で結婚して子どもが生まれたからといって、街を離れない理由にはなりません。むしろ、子どもが生まれるタイミングで、街を離れる可能性すらあるのではないでしょうか。

 

街コンの意義をもう一度見直して、ねらいを変えた方がいいかもしれません。

街コンをする意義としては、参加者にとって、新たな居場所をつくるチャンスを与えられること。ご縁を提供することだと思います。

街コンが出会いの場であることは、間違い無いのですが、あくまでもご縁を提供する場であって、すぐに色恋と結びつけて、はい結婚!としなくてもいい気がしてきます。

とりあえず結婚していない若い世代同士を結びつけておくことで、彼らの地域での居場所を作っていくことはできるかもしれません。

幸い、立派な箱はあります。地域の学校は子どもの人口減少で、統廃合しているのでそこを活用して、彼らの秘密基地にしてしまえそうです。

 

いずれにせよ、街が抱えている課題は、若い世代が少ないこと。そして、その少ない若い世代が地域コミュニティに参画していないことなんですよね。

その理由は、面倒くさいし、参画する必要性がないから。日常的に、地域に住む住民同士で何か協力しなければならない場面って特にありませんからねえ。協力する必要がないのに、協力しあえるセーフティネットワークをわざわざ作ろうとするほど、みんな暇じゃないです。

 

ただ、非常時は協力せざるをえなくなります。

2011年東日本大震災で、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の価値が見直されました。

2005年にハリケーン・カトリーナがアメリカを襲ったその時は、火事場泥棒よりも大胆に、住民が商店から盗みまくるなどしたようですが、東日本大震災時は、そうした略奪などは起こらず、皆モラルを大切にして、お互いに助け合って避難生活を乗り切ったとされています。

つまり、ソーシャルキャピタルが十分に蓄積されていると、規範意識を高め、住民同士の助け合いが起きやすくなるということですな。ゆえに、非常時でも治安は維持され、共助により、多くの人が助かるので、防犯、防災の観点からすると、いいことづくめなんですな。

 

ただ、ソーシャルキャピタルを蓄積するということは、当然しがらみも増えるんです。まあ、単純にご近所付き合いを丁寧にしていくには、どうしてもコミュケーションコストがかかりますよね。平日の出勤時間にたまたまお隣さんと会って、「おはようございます」と挨拶を続けていくだけでは、ソーシャルキャピタルはしょぼいままで頭打ち。もう一歩踏み込んで、その人がどんな人で、どんな背景を抱えて、何に喜び、何に怒り、悲しむのか。そんなところまで理解しないと「困ったときはお互い様」とはならないでしょう。

 

そもそも、地域のつながりは狭く濃ゆくなりがちなため、なるべく忌避したいものでした。だからこそ、今日のように、核家族化も進み、地域のつながりは薄れてきているわけで…

ではなぜ、地域における人間関係は、狭く濃ゆくなるのでしょうか。私は、子どもが原因だと思います。

保育園に入れて、子どもに友達ができる。すると、親同士もつながっていきます。しかもこの場合、子どもを介した利害関係が生まれるので、なるべく良好な関係を保とうとすることになるので、ここでしがらみが生まれます。また反対に、子どもが〇〇ちゃん嫌いとか言っている親御さんとわざわざ積極的に関わっていこうとする方も少ないでしょう。ゆえに、子育て世代の地域でのつながりは狭く濃ゆくなり、ごく一部の地域のつながりを頼りにしていくのでしょう。

そして、そんな狭く濃ゆい人間関係の中でしがらみにがんじがらめになっていれば、より大きな地域の問題に目を向けることはなかなかできないでしょう。

そこで、20代〜40代のシングルの方々の出番です。しがらみに絡めとられずにつながり、地域活性化という共通の目的に向かっていけそうじゃないですか。地域に居場所があり、仲間がいれば地域活性化なんて最高の娯楽じゃないでしょうか?

 

街コンによって、街に居場所と仲間を得た彼らが本格的に地域課題に向き合い、解決に乗り出していければ…そんな願いを込めて、街コンを作っていきたいと思います。

 

かの有名なライフシフトでも無形資産として、人とのつながりやコミュニティの重要性が強調されておりますが、働き盛りの世代にとって、もっと地域コミュニティを活性化させて、ソーシャルキャピタルの蓄積を!などという意識にはなりませんよね。

日常が忙し過ぎますからね。地域に投資するにはいろんな意味で体力が必要になります。

 

極力投資のハードルを下げて、投資のメリットが分かりやすく提示できればよいのですが…

 

ほとんどの人は老後はのんびりと趣味に取り組む中で何かしらのコミュニティに入ればいいや、くらいに思っているのではないでしょうか?

人生100年時代!とか言われている今、20代、30代の老後っていつになるのでしょう…。つまり、地域コミュニティに参画するタイミングは人生の本当に終盤になりそうです。